東京弁護士会所属中野すずらん法律事務所勤務
東京弁護士会所属。30年以上の闇金対策の実績を持ち、闇金だけではなくネット上の詐欺や、オレオレ詐欺の対策なども得意分野としている。
大阪司法書士会所属。20,000件を超える闇金解決の実績があり、NHKの番組『ねらわれる若者たち追跡”SNSヤミ金”』にて取材を受けている。
闇金に保険証、免許証の写真を送るとどんなリスクがありますか?
何かしらの申込の申込者身分証として悪用される可能性があります。
個人情報を悪用される可能性があります。特にインターネットで手続できるものに関しては利用することが可能になります。
もくじ
闇金を含む違法業者、第三者に民分証明書の写しを送るリスク
闇金の様な違法業者や第三者に「保険証、免許証、住基カード、マイナンバーカード」などの身分証明書の写しを送ってしまった場合、どの様な「悪用方法」が想定されるのか監修をお願いしている久保木弁護士に確認をしてみました。
闇金を含む違法業者や第三者に「保険証、免許証、住基カード、マイナンバーカード」などの身分証明書の写しを送ってしまった場合に想定される「悪用方法」について教えてください。
身分証明書の原本を送ってしまった場合
弁護士の見解
保険証、免許証、住基カード、マイナンバーカードなど、公的機関が個人を特定したものを第三者に提供してしまうと、消費者金融(最悪の場合はヤミ金)からの借り入れ、銀行など金融機関の口座開設、携帯電話の新規契約など様々な手法で悪用されるおそれがあります。(久保木 弁護士の見解)
身分証明書のコピーを第三者に送ってしまった場合
弁護士の見解
免許証や保健所のコピーや写真の場合、原本に比べれば悪用される場面は少なくなると思われますが、インターネット上での本人確認手段等に悪用される可能性はあります。
また例えば、コピー(写し)であっても健康保険証を不審な第三者に提供してしまうと、偽造される恐れがあるというべきです。公共料金の請求書や領収証等を何らかの手段で入手して、偽造した健康保険証と併せて使用することで、本人になりすますことができます。写しだからと油断して、不必要に第三者に提供すべきではありません。(久保木 弁護士の見解)
第三者に身分証明書の原本やコピーを渡してしまった場合の対処方法
弁護士の見解
東京都消費生活総合センターは、サイト上で運転免許証や健康保険証の紛失時について、以下のように呼び掛けています。
紛失の事実を証明するために、健康保険証と運転免許証については交番か警察署に届け出ます。また、健康保険証の再発行については健康保険組合(国民健康保険の場合は区市町村の窓口)に手続きを依頼します。運転免許証の再発行手続きは都内の各運転免許試験場になるので、確認してください。なお、個人信用情報機関の申告制度を利用して、あらかじめ消費者金融での借り入れやクレジットカード作成等の悪用を防ぐ方法もあります。 困ったときは、消費生活センターに相談してください。
引用元: 東京くらしWEBより引用
不審な第三者に写しを提供してしまった場合は、「紛失」とは異なりますので、警察署に紛失届を出すことはできませんが、それ以外の部分(発行機関の窓口への相談、個人信用情報機関への申告、消費生活センターへの相談)は、参考になると思います。(久保木 弁護士の見解)
身分証の悪用を未然に防ぐ「個人信用情報機関への申告」
個人信用情報機関への申告とは、怪しい第三者へ身分証の原本または写しを渡してしまったことを「個人信用情報機関」へ申告することで、不審な者があなたの身分証を使って金融機関から借り入れをしようとしたり、クレジットカードを作ろうとしたときに登録日より5年間、その申告が与信判断に用いられるというものです。
下記のリンクより、登録することができます。
本人申告とは|本人確認書類の紛失・盗難|指定信用情報機関のCIC
与信判断につきましては加盟会員が独自で行うものであり、CICがその効力を保証するものではありませんので、あらかじめご了承ください。
上記の様に記載されているので、100%の保証は無いものの、申告をしないよりは悪用の抑止になり得ると考えられます。
身分証を渡してしまった場合の対処法のまとめ
各身分証の発行機関へと相談する
- 国民健康保険・マイナンバーカード→市区町村の窓口
- 運転免許証→各都道府県公安委員会
個人信用情報機関への申告
上記の「個人信用情報機関への申告」の項目を参考に、身分証を怪しい第三者へ渡したことを申告し、不審な者があなたに成りすまして金融機関から借り入れたり、クレジットカードを作ることを防止する様につとめましょう。
闇金からの嫌がらせにご注意
闇金業者の嫌がらせの手口の中には、被害者の住所に脅迫めいた電報を届けたり、ピザなどの出前や、救急車両を呼びつけるといったものがあります。
嫌がらせがエスカレートした場合には、本人のご近所にまで被害が拡大することもあり、近くに他の債務者が居れば、闇金業者の指示で自宅のドアへ張り紙をさせることもあるため危険です。
闇金と縁を断つには闇金に強い弁護士や司法書士へご相談を
闇金業者からお金を借りていたり、渡した個人情報への連絡を脅迫材料にされてキャンセル料を請求されている場合、弁護士や司法書士が介入すると早期解決することが多いです。
闇金業者は自分が違法な行為をしていることは分かった上で活動しているため、法律家が介入してくると嘘やハッタリが通用しないばかりか、警察が本格的に動く可能性や、携帯電話や口座が法律家の要請によって凍結させれてしまう恐れもあります。
闇金としては、法律家の関わった被害者とは関わってもデメリットの方が多いために手を引くという訳です。
闇金と関わってしまい脅迫されている方は、弁護士や司法書士への相談をされる様にご検討ください。
闇金弁護士110番、運営会社の編集部がこの記事をまとめています。弁護士の先生や、司法書士の先生への取材を行った上で読者の方に役立つ、事実に基づいた情報の発信を心掛けます。