質問者

闇金から「借りパク」行為をしてやろうという方がいますが、実際に可能なのでしょうか?また、リスクはありますか?

正野弁護士正野嘉人弁護士

可能と言えば可能ですが、それなりの報復嫌がらせは避けられないと言えます。

※当記事では、闇金に対する通称借りパク行為を推奨しておらず、その危険性を分かりやすく解説しています。

闇金業者からの借りパクとは

闇金業者は違法業者であり一般市民に対して及ぼす被害も深刻なものとなっています。そのため闇金業者から様々な嫌がらせを現に受けているという人も多くいますが、その一方で闇金から借りパクを行う人も存在します。
借りパクとはその名の通り借りたまま返さない事です。最初から返済しない事を前提にして闇金業者から融資を受け、その金を騙し取る行為のことを言います。
相手が闇金と言えども返さないつもりで借りるという悪質な行為ですが、最高裁による判例が根拠となって借りパクをしても罪に問われる事はありません。

闇金業者からの借りパクは可能か?

理論上は可能

危険なので実行に移すことは避けるべき行為ですが、闇金からの借りパクは可能です。たとえ金を騙し取る事に該当しても相手が闇金であれば罪に問われる事はなく、借金をした後すぐに弁護士を雇ってしまえば元金分の利益を得られる場合もあります。闇金対応に特化した弁護士が介入することで闇金業者の多くは即日で諦めていくためです。つまり闇金から借りた金額から弁護士費用を差し引いた額が丸ごと自分自身の利ザヤとなります。

なぜ借りパクが罪にならないのか

もしも正規の金融業者から借りた金をそのまま騙し取ってしまえば、それはもちろん詐欺罪等の罪に該当する事となります。しかし借りパクをする相手が闇金業者であれば、どれだけ悪質な顧客であっても罪に問われる事は一切ありません。
これは闇金業者から借りた金は返さなくて良いとした最高裁判決の効力があるためです。返さなくて良いのは元金によって発生する利息だけではありません。元金そのものも返済の義務がないのです。
つまり闇金から借りパクをした金とは元より返さなくて良かった金であり、法的に返さなくて良いものを自分の物にしたところで罪に問われるはずがありません。最初から返すつもりがなかったとしてもこれは同様です。

借りパク前提の闇金利用は危険です

借りパク前提の融資申し込みは法的に見ればなんの問題もありません。しかし現実にこれを行えるかと言えば、借りパクをした後に待ち受けているのは闇金からの執拗な嫌がらせです。
闇金業者は緊急連絡先を貸付前に確認しています。そのため顧客が金を借りたまま一向に返す気配がなければ、勤務先や家族へと取り立てが入る恐れが生じるのです。
途中までは返済していた人が金を用意できなくなって振り込みを途絶えさせただけでも闇金の嫌がらせは始まります。借りパク前提と言う悪意が顧客にあった事を知られてしまえば、逆上した闇金がどのような行動に出るかは予測できません。
あらゆるトラブルに巻き込まれる危険性があるため、お小遣い稼ぎのつもりで闇金から借りパクするのは厳禁です。

借りパク行為で利益を上げるのは困難

リスクに反してメリットは小さい

闇金業者は融資に慎重です。貸し付ける相手のほとんどは多重債務などのマネートラブルを抱えているため、貸し付けた金額が帰ってくる保証が一切ありません。そのため最初は数万円単位でしかお金を貸し付けないことが通常です。
闇金業者から借りパクを前提で金を借りる人は、借りた金の全額を自分の利ザヤにできると思っているかもしれません。しかしそれは大きな間違いです。
闇金業者から金を借りてしまった人が自分一人の力でその後の取り立てから逃げ切るのは不可能です。そのため専門の弁護士に解決依頼を求めなければなりませんが、そのための費用相場は5万円程となっています。弁護士事務所によって多少金額が前後する事はあるものの、借りた額から費用を差し引けば大して金は残らない、あるいは弁護士費用の方が高くついてしまう可能性さえもあります。
利ザヤを得られないばかりではなく嫌がらせに遭うことを考えると、借りパクによって損はしても得をすることはないでしょう。中途半端な法律の知識を身につけてしまう人の中には借りパクを検討して実行してしまう人もいますが、安易な考えで人生を破滅させる事にもなりかねません。

解決困難に陥るリスク

闇金対応になれている弁護士をトラブル解決のために介入させると、基本的にほとんどの闇金業者は即日で引き下がります。取り立て電話も嫌がらせもすぐさまストップし、予測される相談者のあらゆる被害を最小限に押さえ留める事ができます。ところが借りパク前提で金を借りた人の場合、借金の真意が闇金にバレてしまうと解決困難なトラブルへと発展する恐れがあります。
最近ではソフト闇金なども登場してきていますが、基本的に闇金融とは顧客に圧力や恐怖心を与えて精神的に追い詰めていきます。相手を怖がらせる手段は熟知しており、心理的に負荷をかけるのが非常に得意です。
そのため仮にもし顧客が借りパクをしたと闇金が悟ってしまえば、思い知らせてやろうという感情を爆発させる事にもなってしまいます。より強固な嫌がらせの実行や、あり得ないほど繰り返し入る取り立て電話など、でき得る手段をいくつも使って悪質な顧客に見せしめを行います。
ここまで事態が悪化している場合、闇金弁護士に相談を行ったとしても即日解決を図る事は困難です。闇金が騙された事によって逆上し、そう簡単には顧客の事を許そうとはしません。また借金をして即弁護士への相談を行った場合にも、あの顧客は借りパク目当てだったと気付かれて交渉が難航します。
弁護士事務所の中には借りパクをした相談者の依頼は受けないとしている所もあります。罪にならないからと言って詐欺まがいの行為をする事は許されず、さらに自分自身にも大きなデメリットが生じるので絶対にしてはいけません。